おばけリンゴ [海外の絵本]
好きでもないリンゴを育てるワルターの、
ちょっと切ないお話ですな。
ポーランドにある工業都市ツァボルツェ(当時はドイツのヒンデンブルグ)出身の
絵本作家、画家、詩人であるヤーノシュさんの作品です。
おばけリンゴ
ヤーノシュ/作
やがわ すみこ/訳
福音館書店/出版社
昔あるところに、ワルターという貧乏な男の人がいたんですな。
リンゴの木を一本持っていたのですが、今まで一度も実がなったことがないんですな。
周りの人たちとついつい比べ、悲しくなるワルター。
たった一つでいいから、他の人のように実がなりますようにと願い事をするんですな。
そんなある日、たった一つ花が咲き、実がなり、とてもすばらしい毎日になる
はずだったのに。。。
とてつもなく大きくなってしまうんですな。
市場ではさんざん嘲笑され、情けない、どん底の気分のワルター。
持ち帰ったリンゴの番も憂鬱です。
しかし、ひょんなことから、ちまたを騒がす、恐ろしい「竜」退治に一役買ってしまうんですな。
本人の思いとは裏腹に、王様によって招集された秘密警察に突然リンゴを取り上げられ、
そのリンゴを食べた竜が、喉を詰まらせ退治されるんですな。
本人の意思とは裏腹に、平和に貢献してしまいます。
厄介なリンゴを取り上げられ、実はせいせいしていたワルターは、
小さなリンゴでいいから、実がなりますようにとささやかな願い事をして眠りにつきます。
ちっちゃな願い事ですら、うまく叶わない、歯痒さと切なさが入り交じるお話ですな。
そういえば、私が小学生の頃、「おばけリンゴ」の劇を見に、わざわざ母親につれられ上京したことがありましたな。
こちらは、作・谷川俊太郎(ヤノーシュの絵本「おばけりんご」より)、演出・小森美巳、企画・岸田今日子、音楽:小森昭宏という、そうそうたるメンバーによるものですな。
記憶が曖昧ですが、おそらく「三百人劇場」で上演された「円・こどもステージ」でのものだと思います。
レコードもありましたな。
岸田今日子さんのナレーションが、子供ながら耳に心地よかったことを覚えています。 :-)
エンバリーおじさん「なんでも編」 [海外の絵本]
またしても、エンバリーおじさんの絵かきえほんですな。
邦題は「なんでもかけちゃうよ」。
Ed Emberley's Drawing Book
Make a World
絵の苦手な人、ぜひ読んでみてください!
もともとは、ハンディのある子供たちに、絵が描ける!という自信を持たせるために
考えだされた手法のようですな。
でも、実際、絵の苦手な人はたくさんいますな。
子供に絵をせがまれて困っている方も多いのでは。。。
この本を読めば、あっという間にイラストレーターになれますぞ。
最低限、これだけ描ければいいんですな。
これなら簡単だ。
後は、絵描き歌の要領で、自動車や、
船や、
動物、などなど、何だって描けます。
それらが描けるようになったら、応用ですな。
ポンチ絵や、絵本、モビール、などなど。。。
夢は広がりますな。
うまい下手ではなく、描いてくれることが子供にとってはうれしいんですな。
ただし、あまりにも上手に描きすぎると、子供はすねてしまうので、程々に。 :-)
一足早めのクリスマス [海外の絵本]
お子様のいらっしゃるご家庭では、そろそろ、今年のクリスマスプレゼントに
何を贈ろうか、頭を悩ませているのではないでしょうか。
この絵本はいかがですかな。サイズも価格も、わりとお手頃ですよ。
Christmas
Robert Sabuda
「不思議の国のアリス」や「冬ものがたり(Winter's Tale)」のポップアップ絵本で有名な
紙の魔術師、ロバート・サブダさんの、クリスマス用のミニポップアップ絵本ですな。
我が家のコドモへの、一番最初のクリスマスのプレゼントですな。
もうぼろぼろになりかけてます。
ロバート・サブダさんの『The Christmas alphabet』をもとに、
「C」「H」「R」「I」「S」「T」「M」「A」「S」の文字をチョイスして、
靴下に入る大きさのポップアップ絵本にした、スペシャル版ですな。
本当に神業ですな。
プリントの柄ではなく、あくまで、紙の造形でここまで
見せることができるのは、すばらしいですな。
「H」はHOME。
「R」はRIBBON。
「S」はSNOWFLAKE。
「A」はANGEL。
そして、「S」はSANTA。
あまり小さいお子様向けではないかも。。。
あっという間にぼろぼろですな。
それもまたよし、ですかな。
ポップアップ絵本は、遊んでなんぼですからな。 :-)
雪かき [海外の絵本]
私は北国育ちなので、雪が待ち遠しいですな。
「雪かき」はうんざりですが。。。
「雪」の表現が秀逸な絵本。お気に入りの一つです。
はたらきもののじょせつしゃけいてぃー
バージニア・リー・バートン/作
いしい ももこ/訳
福音館書店/出版社
大きくて力持ちのトラクター「ケイティー」。
部品のつけ替えで、ブルドーザーにも、除雪機にもなるんですな。
「ジェオポリス」の自動車管理部に所属しています。
夏場は、道路の修繕や、池に落ちたスチームカーを引き上げたりと
力仕事をこなしているんですな。
そして冬。
雪が積もると道路管理部のトラックたちは、除雪機をフロントにつけて出動です。
ケイティーは、大きくて力が強いので、少々の雪では出番がありません。
そして、大雪が。
いよいよ出番です。
雪のため、誰も動けなくなってしまう中、ケイティーだけが動いているんですな。
一面の雪の表現がすばらしいです。
そして、雪をかいてできる道の表現も。。。
大雪のため麻痺したジェオポリスを回復するために、
まず警察署までの道を造ります。
そして、まず、大通りの雪をかきのけ、
郵便局への道を造り、
電話局や、水道局、病院、と次々に依頼のあった場所への道を造っていくんですな。
火事の知らせを受け、消防署から火事の現場まで道を造ります。
その帰り道、飛行場が雪で埋もれて着陸できないと連絡を受け、
発送路の雪も下記のケルンですな。
本当に働き者です。
ケイティーありがとう。と言いたくなりますな。
雪の日、誰も足跡を付けていない田んぼに踏み入って、道を造るのは楽しいですな。
でも、気をつけないと、用水路に落っこちることもありますよ。
雪の下に何があるか、全くわからないですから。。。 :-(
スモールさん 消防士編 [海外の絵本]
「知識絵本の古典的傑作!!
新鮮でモダンな、この絵本は30年以上も前に生まれ、
今も、少しも変わることなく幼い子どもたちをひきつけています。」
…我が家の絵本は、こんなフレーズの入った帯がついています。
えーと、1971年3月1日、第2刷ですな。
ちいさいしょうぼうじどうしゃ
ロイス・レンスキー/作
わたなべ しげお/訳
福音館書店/出版社
スモールさんシリーズ(?)の、消防士編ですな。
絵がとてもチャーミングです。
これが、スモールさんと、ちいさい消防自動車と、犬のティンカーです。
知識絵本というだけあって、細部の紹介もあり、ワクワクしますな。
火事です。出動ですな。
てきぱきとしたスモールさんの指示で、消火活動が行われます。
消火作業の手順がよくわかります。
逃げ遅れた女の子も無事に救出します。
屋根に穴だってあけます。勇敢なんですな。
無事に火を消し、颯爽と消防署に帰ります。
消防士の活動内容がよくわかる絵本です。
本国では、1946年に発表された本書ですが、さすがに時代設定が
今と違いすぎますな。
やはり、「昔、あるところに……」と一言入れてから
読んだ方が、コドモにはわかりやすいかもしれないですな。
古い絵本でも、絵がすてきなものは未だに残っているのですが、
例えば、「蒸気機関車って言うのはね、、、」みたいに、
いちいち説明するのが少々大変になってきましたな。
ところで、消防自動車は子どもに人気のクルマですが、
我が家のコドモのお気に入りは、「救急車」と「ゴミ収集車」です。
なんで? :-)